2024年8月1日木曜日

グーグルアースはおもしろい!

グーグルアースはおもしろい!

 

1) はじめに

中学に入ったばかりの孫がグーグルアースのストリートビュー画像でバーチャルな世界の観光旅行を楽しんでいる。グーグルアース画面左上の検索機能を使って「エジプト ギザ ピラミッド」と入力し、クリックすれば、エジプトはギザのピラミッドが即座に登場する。そして、画面右上のストリートビューの人型をピラミッド画像に近づけて置くと、まさに現場でピラミッドを見物している画像が現れるのだ(写真1)。また、「インド アグラ タジマハール」で検索すれば、前述のピラミッド画像と同様に、インドのアグラにあるタジマハールを現地で見物しているかのような臨場感満々の気分になれる(写真2)。

これまでは知らなかったのだが、グーグルアースの検索機能の便利さとそのスピード感には驚かされた。皆さんはすでにお気づきかもしれない。遅きに失した感はあるが、グーグルアースはおもしろい!これを、利用しない手はない。しかも、タダだ。

そこで、迫力あるエベレスト峰(8848m)の画像(写真3)をだした。画像取得日は2021/03/25。ストリートビュウにすると、これまで見たことがないような高度11.26kmから眺めたエベレスト山群の北東方面の画像が登場した(写真4)。ローツェ峰(8516m)やアマ・ダブラム峰(6812m)のほか、イムジャ氷河湖までもが写っている。これで、ますますグーグルアースにはまってしまった。なお、エベレスト峰のその他の画像は、9章の「グーグルアースの8000m峰」にもある。

そして次は、富士山(3775m;写真5)だ。画像取得日が2024/04/19。ストリートビュウ画像では旧富士山頂測候所近くの画像(写真6)が見られた。画像取得日は単に2023/8とある。その画像に記された富士山の位置(座標)が35°213888N138°433613Eとあるのは正しそうだ。しかし、標高3796mと記されているのは、富士山頂よりも低い場所で撮られた写真にもかかわらず、山頂よりも20mほども高く示されているので、どうもおかしい。

また、画像中には「画像は著作権で保護されている場合があります」との注意書きが記されている。公にしたくない個人情報が含まれていたら問題になる可能性はある。はたして、これらの画像はここで公表しても良いものなのか?と思いつつ、とりあえずは問題がなさそうなので、お許しを願っておきたい。

以上のように、とにかく、グーグルアースはおもしろい。そして、役立ちそうなことが分かった。だから、これまでのヒマラヤ関係の調査報告のいくつかをグーグルアースとそのストリートビュー画像で補完することにした。

 

2) イムジャ氷河湖に重機出現

1970年代のネパール・ヒマラヤの氷河調査でお世話になったハクパ・ギャルブさんが『Lowering of Imja glacier by Nepalese army(ネパール軍によるイムジャ氷河「湖の水位」低下)』の標題で、 201665日にその2日前に現地で撮られたイムジャ氷河湖で工事をする重機(ブルドーザー)の写真7をメールで知らせてくれた。イムジャ氷河湖は東ネパールのクンブ地域にあり、長さ1.5キロ、幅800mほどの大きな氷河湖である。その氷河湖の決壊洪水(GLOFGlacier Lake Outburst Flood)を防ぐために人工の排水溝を作り、拡大する氷河湖水を排水するための工事だという(資料1)。

そして、画像取得日2021/11/13のグーグルアース画像(GEI)を見ると、イムジャ氷河湖の排水路がはっきりと映っていた(写真8)。これでは氷河湖の水位の高さが固定されてしまうので、氷河湖の水位をさらに低下させることはできない。もともとは、末端モレーンにある氷河湖からの流出口の高度は浸食によって低下し、そのため氷河湖の水位も下がっていくという自然の巧みなプロセスがある(資料1)のだが、それが生かされないではないか。もっとも、水位一定の氷河湖の水利用には便利かもしれないが、そのような氷河湖の水を利用する計画は誰も考えてはいないので、氷河湖の水位を固定化する必要はないと考える。。

氷河湖上流の岸壁からの落石や雪崩が直接湖面を直撃するような地形がなく、大規模な末端モレーンがあるイムジャ氷河湖の場合は、ネパール中央部のツラギ氷河湖同様に、直下型の巨大地震にでも見舞われない限り、氷河湖決壊洪水が発生する可能性はない(資料1)。従って、ブルドーザーによるイムジャ氷河湖の人工的な大規模工事は貴重な自然を破壊するだけで、その必要性はないと判断しているが、もっとも、直下型の大規模地震が発生すれば、たとえ事前の大規模工事をしていたとしても役立たずになるので、その必要性はもともとないといえる。

危機感を訴え、対策を求めるクンブ地域の住民たちは、実際にはイムジャ氷河湖をはじめ、氷河湖決壊洪水を引き起こしたクンブ地域の各氷河湖を見ていない人が多く、自分で判断できないため、必要以上にこれまでの調査隊の「危険」情報に惑わされているようだった(資料1)。そこで、住民と一緒に、イムジャ氷河湖や、これまでに氷河湖決壊洪水を引き起こした氷河湖のモレーン構造の特徴を現地で見ながら、氷河湖決壊洪水の実態や対策について対話をしていくことが、住民に安心感をもってもらうために必要だと考える。彼らの指摘する「対策」とは人工的な排水用の水路を建設するようなハードでトップダウン的な重機を使うような大規模工事ではなく、住民の心のケアー対策を考えたソフトでボトムアップ的な住民参加型で氷河災害への理解を深めることが必要な段階にきている、と思われる。

資料1

イムジャ氷河湖に重機出現―歴史はジャンプするー

https://glacierworld.net/home/change-of-imja-work/

 

3) バルン谷の氷河湖決壊洪水?について

東ネパール・ヒマラヤのマカルー峰(8463m)南のバルン谷で2017/04/20に発生したと報告された氷河湖決壊洪水?は、バルン氷河下流部の末端モレーンから続く白色の流水跡と解釈した流紋状の地形(写真9の黄色点線内の地域)の特徴から、今回の災害は氷河湖決壊洪水ではなく、バルン氷河上の池などの水が越流してきた、いわば鉄砲水のような洪水現象(flash flood)であると報告(資料2)したが、鉄砲水の発生源は画像が不鮮明なため特定できないでいた。

そこで、画像取得日2021/11/29のグーグルアース画像(写真10)を見ると、前述の「バルン氷河下流部の末端モレーンから続く白色の流水跡と解釈した流紋状の地形」の上部地域に湖(写真10の矢印)が写っているので、この湖からの越流水が鉄砲水を引き起こした可能性がある、と解釈できた。この種類の洪水現象は、1977/09/03に発生した、ネパール・クンブ地域のアマダブラム峰南東地域のミンボー谷の洪水(資料3)との類似性が考えられる。というのは、湖をせき止めているモレーンの落ち口が急激に侵食したり、ミンボー谷の洪水原因のように、モレーンに氷が含まれていれば、温暖化による氷の融解でモレーンが破壊し、湖からの流出水によって洪水が発生する原因になる、からである。

バルン谷の災害では「Millions property damaged due to GLOF, a way to Makalu destroyed.」のような被害が出ているとのことである(資料2)し、災害現場がマカルー登山のベ-スキャンプ(9章の「グーグルアースの8000m峰」のマカルー画像参照)近くにあるので、災害防止や災害低減のためにもフィールド調査が必要になるであろう。

資料2

バルンGLOFについての緊急報告2

https://glacierworld.net/travel/nepal-travel/2017-2/barun-report2/

資料3

Nepal case study : Catastrophic Floods

https://glacierworld.net/regional-resarch/himalaya/glacier/glacier03/

 

4) マディ川流域の氷河湖洪水

ネパール中央部のアンナプルナ山群南部のマディ川流域の住民によれば、15年前には源流部にガプチェ氷河湖はなかったが、2003年と2005年および2009年に洪水が発生した(資料4)、と言われている。そうすると、2000年前後からガプチェ氷河の末端部が融解し、氷河湖が形成されたこと、またアンナプルナⅡ峰南部の高度7000m周辺の氷河周辺から大崩壊が起これば、直接氷河湖に達し、大(津)波を発生させ、数年ごとに氷河湖決壊洪水をひきおこす要因になるであろうことは容易に推察できる(写真11)。

そのような場所であるにもかかわらず、写真12のグーグルアースのストリートビュウ画像を見ると、ガプチェ氷河湖の湖畔にはテントを張り、犬まで連れて、キャンプを楽しんでいるような数人の旅行者が写っているのである。住民によると、数年ごとに洪水が起こっている現場なので、危険極まりないことは言うまでもない。マディ川流域の氷河湖決壊洪水に関しても、2章で述べたイムジャ氷河湖の決壊洪水問題と同様に、現地住民や旅行者などへの広報が必要な段階にきている。

資料4

マディ川氷河湖洪水

https://glacierworld.net/regional-resarch/himalaya/glof/glof04/

 

5) ランタン村周辺の雪崩災害

2015425日にネパール中央部を震源とする地震が発生し、首都のカトマンズなどでは大きな災害にみまわれた。その時に、ネパール・ヒマラヤ中央部のランタン村では、地震により背後の山から雪や土砂を含む雪崩が発生し、集落の一部が埋没し、住民や外国人トレッカーなど数百名の犠牲者が出た(資料5)。

その後は、ランタン村上部の雪崩発生源地域の残留堆積物が安定化しているにしても、雪崩の流路になった地域の稜線部分には懸垂氷河(写真13;赤い点線内)があり、懸垂氷河が落下してくるリスクがあった。そこには、懸垂氷河の落下を受け止める氷河のモレーン堆積物があるが、その内部に湖が形成されるようになれば、懸垂氷河の一部分が直接湖に落下し、そこで生ずる津波がモレーンを破壊して、氷河湖決壊洪水がランタン村を襲う可能性が考えられた(資料5;写真13)。

  

そこで、20211029日のグーグルアース画像(GEI)で上記の懸垂氷河周辺と末端モレーン周辺を調べると、幸いなことに、新たな湖の形成は認められない(写真14)ので、ひとまずは氷河湖決壊洪水が発生する可能性は低いことが分かった。しかし、今後は氷河湖の発生・拡大を衛星画像などによって定期的に点検することが必要であろう。

さらに、氷河湖決壊洪水の住民被害を低減するためには、2015年の雪崩堆積物周辺のランタン村には新築家屋を建てないことだが、残念なことに、すでに新しいホテルなどが建てられているので、対症療法的には、日本の防潮堤のような石積みの堤を雪崩堆積物周辺に築くことが急務であろう。

資料5

ランタン村周辺の雪崩災害と災害地形などについて

https://glacierworld.net/travel/nepal-travel/2017-2/lantang-disaster/

 

6) ギャジョ氷河の雪渓化

1970年以来、クンブ地域のナムチェバザールに近いギャジョ氷河を調査している(写真15)。1980年代までは前進と後退をくりかえす動的平衡状態だった(資料6)が、それ以降現在まで、ギャジョ氷河は著しく縮小し続けている。そして、1995年には氷河末端が著しく後退し、氷河末端には氷河湖が現れはじめ、氷河涵養域が2つに分割してしまった(写真16)。氷河全域が消耗域になる雪渓のような氷体になってしまったのである(文献1)。さらにその傾向は進み、2009年には末端の氷河湖が拡大し、雪渓のような氷体はさらに縮小し続け(写真17)、氷河が雪渓へと変化する貴重な現象を観測することができた(資料6と文献1)、のである。

そこで、画像取得日2021/11/07のグーグルアース画像(写真18)を見ると、一部分凍結してはいるが、さらに拡大した末端氷河湖(点線)が、また降雪の影響で不鮮明ではあるが、縮小を続ける雪渓化した氷体(破線)を認めることができる。かつてのギャジョ氷河は雪渓となり、さらに温暖化で縮小化が進んでいくと、ギャジョ谷からの水を引いて水道水などに利用している(資料1)ナムチェバザールやクンデとクムジュン各地域の人達の水源の枯渇が心配される。

資料6

ギャジョ氷河 Structural studies on Gyajo Glacier

https://glacierworld.net/regional-resarch/himalaya/glacier/gyajo-lake/

文献1

伏見碩二, 瀬古勝基, 矢吹裕伯  (1997)  ヒマラヤ寒冷圏自然現象群集の将来像―生態的氷河学と自然史学の視点からー.  地学雑誌, 106, 2, 280-285.

 

7) ヒマラヤ上昇論

木崎甲子郎(1985)さんの「わたしは山脈が上昇するひとつのモデルを作った」というヒマラヤ上昇論とその展開はこうなっている。「山脈の内部にあるミグマタイトと呼ぶ花崗岩の岩体が直径数キロの火の玉状に上がってくる。というのは、花崗岩は地殻の内部ではいちばん軽い岩石だから、地球の重力場では、水中の気泡のように上昇する。それが地層を押し上げて山脈を作ったにちがいない。(中略)そこで、共同研究者であったコンピューター使いに数値実験をしてもらった。が、結果は悲観的であった。たしかに、花崗岩体は1万年にやく1メートルの速度で上昇してくる。だが、地表はどうみても数百メートルしか隆起しないのである。これでは山脈どころではない」。そこで木崎さんは、「まだこのモデルをあきらめたわけではないが、新しいモデルを探してネパールくんだりに夢を追いかけている」(文献2)と記している。

ヒマラヤ山脈の上昇要因(写真19)としては1)インド亜大陸のアジア大陸への衝突と潜り込みによるせり上がりと木崎さんが指摘する2)火の玉状花崗岩による上昇、そして下降要因としては3)チョモランマ峰直下の北側に滑り落ちる正断層活動と4)風化現象による浸食作用である。2015年5月のようなヒマラヤの大地震時にそれらの値が変化し、最高峰を形成すると解釈している(資料7)。

そこで、画像取得日2021/11/13のグーグルアースのストリートビュウの画像(写真20)をだして見たのであるが、氷河の下流域の画像は鮮明なのだが、ローツェ峰からヌプツェ峰南壁に見られるはずの貫入花崗岩やイエローバンド(写真19)の地質構造すべてが白い雪壁のような不自然な画像になっているのである。どうしてこのような画像になるのであろうか。このようなストリートビュウ画像では、地質構造などの解析には向かないのが残念である。

資料7

ヒマラヤ上昇論夢想

https://glacierworld.net/travel/aach-memorandum/aach-momorundam-13/

文献2

木崎甲子郎;北海道新聞コラム「オーロラ」, 1985/06/29

 

8) カリガンダキ上流の大褶曲構造

ネパール中央部を流れるカリガンダキ(川)上流のダウラギリ峰(8167m)北方のジョムソン(写真21;2010/10/27撮影)やツクチェ・ピーク周辺(写真22;2010/10/28撮影)では、ヒマラヤ山脈が上昇するときの圧力で地層が大きく褶曲している構造を示す貴重な露頭を見ることができる(資料8)。ヒマラヤ山脈が世界最高であることを実感できる特徴的な地質構造だ。

そこで、画像取得日2023/11/06のグーグルアースのストリートビュウ画像(写真23と24)を見ると、オートバイで旅行している人たちが一休みしている様子が写っている。ヒマラヤ奥地の貴重な露頭にまでバイク旅行者が訪れているのは、ヒマラヤ観光の新時代の到来を象徴しているようだ。ポカラを起点に、ネパール中央部のアンナプルナ・サーキット(資料8)と呼ばれるカリガンダキ川とマルシャンディ川を結んで、アンナプルナ山塊を一周する車での旅行時代が近づいていることを実感した。

資料8

アンナプルナ・サーキット

https://glacierworld.net/regional-resarch/himalaya/himalayan-other/himalayan-other01/

KU  Lecture  2015 - 2017

2-4. Earth History

https://environmentalchangesofthenepalhimalaya.weebly.com/2-4earth-history.html

 

9) グーグルアースの8000m峰

それでは、グーグルアースとそのストリートビュー画像で「グーグルアースの8000m峰」をお届けする。山の名前でグーグルアースを検索すると、即座に画像が現れるのはありがたい。

 

A) エベレスト(チョモランマ;8848 m

画像取得日(左2021/11/13と右2023/11)、右はストリートビュー画像

ストリートビュー画像は西から眺めたエベレスト山群である。

 

B) K28611 m

画像取得日(左2013/11/21と右2023/11/15)、右はストリートビュー画像

 

C) カンチェンジュンガ(8586 m

画像取得日(左2022/03/07と右2022/03/15)、右はストリートビュー画像

ストリートビュー画像では、山頂部分が丸みをおび、やや不自然に感じる。

 

D) ローツェ (8516 m

画像取得日(左2021/11/13と右不明)、右はストリートビュー画像

 

E) マカルー(8463 m

画像取得日(左2021/11/29と右不明)、右はストリートビュー画像

ストリートビュー画像はマカルー・ベースキャンプで撮影された。

 

F) チョ・オユー(8188 m

画像取得日(左2021/03/25と右2021/11/13)、右はストリートビュー画像

 

G) ダウラギリ(8167 m

画像取得日(左2020/10/05と右2022/10/16)、右はストリートビュー画像

ストリートビュー画像では、中腹の雪壁が不自然に感じる。

 

H) マナスル(8163 m

画像取得日(左2020/10/11と右2020/10/12)、右はストリートビュー画像

ストリートビュー画像では、山頂部分が丸みをおび、やや不自然に感じる。

 

I) ナンガ・パルバット(8126 m

画像取得日(左2022/09/03と右2022/06/27)、右はストリートビュー画像

 

J) アンナプルナ(8091 m

画像取得日(左右2017/12/16)、右はストリートビュー画像

 

K) ガッシャーブルム(8080 m

画像取得日(左2023/11/05と右2023/11/15)、右はストリートビュー画像

ストリートビュー画像では、山頂部分が丸みをおび、やや不自然に感じる。

 

L) ブロード・ピーク(8051 m

画像取得日(左2019/09/16と右2023/11/05)、右はストリートビュー画像

 

M) シシャパンマ(8027 m

画像取得日(左2020/10/05と右2021/10/11)、右はストリートビュー画像

 

10) むすび

グーグルアース画像にも問題点はある。写真6が示すように、旧富士山頂測候所近くのストリートビュー画像で、標高3796mと記されているのは、富士山頂よりも低い場所で撮られた写真にもかかわらず、山頂よりも20mほども高いのはどうもおかしい。そのストリートビューの画像中には「画像は著作権で保護されている場合があります」との注意書きまでもが記されている。公にしたくない個人情報が含まれる場合には留意する必要があろう。また、9章の「グーグルアースの8000m峰」の中で、カンチェンジュンガ・マナスル・ガッシャーブルム各峰のストリートビュー画像では、山頂部分が丸みをおび、山の形が不自然に感じるのは否めない。ダウラギリ峰のストリートビュー画像では、中腹の雪壁が不自然に感じられた。

しかしながら、グーグルアースの検索機能の便利さとそのスピード感は十分に堪能できたので、これまでのヒマラヤ関係の調査報告をグーグルアース画像で補完することにしたところ、8章のヒマラヤの上昇論にみられる不鮮明画像や6章のギャジョ氷河の雪渓化の画像のような降雪の影響があると見えにくくなる欠点はあるのだが、2章のイムジャ氷河湖の排水路の画像、3章のバルン谷の洪水起源の湖の特定、4章では危険なガプチェ氷河湖岸のキャンパーの存在、5章のランタン村周辺の雪崩災害の軽減策、6章のギャジョ氷河の雪渓化の促進状況、7章のヒマラヤ上昇論への課題、8章のカリガンダキ上流の大褶曲構造とヒマラヤ観光の新時代到来、9章の8000m峰のストリートビュー画像の問題点などを明らかにする画像情報が得られたので、全体的にはこれまでの報告をかなり補完する役割を果たしてくれた、と考えている。

それでは最後にもう一度くり返す。グーグルアースはおもしろい。お伝えしたような便利な機能をタダで提供し続けてくれることを期待しながら、どうぞ皆さんも、グーグルアースをお楽しみください。

 

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