ネパール2014春調査報告1*
4月1日、予定通りネパール入りしました。ヒマラヤ方面には雲が多く(写真1)、窓側の関をとっていましたが、残念ながら神々の座をみることはできませんでした。クンブ地域にはかなとこ状の積乱雲が発達していましたので、山は雪だったのかも、しれません。ヒマラヤが見られなかったことにくわえて、さらに、カトマンズ盆地は大気汚染のスモッグがひどく(写真2)、町の様子も空から良く見えない(写真3)ほどで、いつも感じることですが、環境汚染の深刻さをまずもって知らされた感じです。カトマンズ空港に着くなり、住民同様、さっそくマスクをつける羽目になりました。さらに、ヨード液によるウガイも必要になることでしょう。
1)ヒマラヤの山々は雲で覆われていた。
2)カトマンズ盆地は大気汚染のスモッグがひどい。
3)カトマンズの町の様子も空から良く見えない。
それにもかかわらず、4月2日の翌朝薄明の5時半、カッコーの歌声とともに、コマドリたちがさえずりだすのを聞くと、まだ「沈黙の春」にはなっていないようなのが、大気・水・ゴミ問題に苦しむカトマンズにとっては今のところは救いなのかもしれません、が。
ネパール2日目は朝から夕方まで忙しく過ごしました。まずは1)銀行での現金引き落とし、2)4月5日にポカラに行くバス切符の購入(トリスリ・マルシャンディ両河川の写真を撮るため先頭右側窓席を予約)、3)調査用の靴・地図の購入、4)携帯電話のシムカードの交換(パスポートとビザのコピー・顔写真1枚・両手親指の指紋摂取が必要でした)、5)傘の修理(ネパールは修理充実国でたいがいなものは修理できるので助かります)、6)友人の分骨のための石碑注文、そして7)「Climate+Change」展示場の見学を行った後、夕方はかつてのJICAの友人との会食が続きました。その他にも、顔なじみのネパール人への挨拶や日本で頼まれた土産品を現地滞在者へ届けたりもしました。
4)「Climate+Change」展示会館前のNaredra
Prasad氏
それでは最後に、氷河関係の展示が半分ほどをしめ、今回の調査内容とも関係する、7)「Climate+Change」展示について報告します。この展示はNepal Art Councilの建物3階半全部を使い2013.11.11から2014.4.13まで長期にわたり開催されているもので、昨秋来た時に、Nepal Art Councilの理事をつとめるとともに、ポカラの国際山岳博物館を設計したNaredra Prasad氏(写真4)から見学をすすめられていたところ、2週間ほど前にネパールに来られた安藤久男氏が見学し、詳しい話を日本で聞くことができましたので、忙しいスケジュールでしたが、どうしても最初に見たいと思っていました。
5)数メートルから拾メートルの大写真展示(上)と住民紹介(下)
6)現地住民(エベレストの20回ほど登ったアパ・シェルパさん)の紹介
展示の主催者は国際総合山岳地域開発センター(ICIMOD)、アメリカ大使館、Nepal Art Councilなどで、欧米の氷河関係者などの成果が展示されています。何と行っても圧巻は、氷河・湖変動、氷河湖決壊洪水、氷河地形などの数メートルから拾メートルの大写真(写真5)です。さらに、現地住民の紹介(写真6)にもかなり重きを置いているのにも、感心しました。また、見学した子供たちが環境問題への関心が高いことが感想カード文からうかがえました(写真7)。担当者の話ですと、来週には展示が終了しますので、その後はポカラの国際山岳博物館に1年間ほど展示されるとのことです。
7)関心が高い子供たちの感想カード文
本日(4月3日)午後、乾期の4月には珍しい雷をともなう雨が降りました。前線が通過したようです。里の雨は山の雪でしょう。ヒマラヤの天気も異常なのかもしれません。
次回は、4月5日にポカラに行き、現地調査や国際山岳博物館の展示更新などを行いますので、それらの経験を踏まえて、新しい情報を報告いたします。
次回は、4月5日にポカラに行き、現地調査や国際山岳博物館の展示更新などを行いますので、それらの経験を踏まえて、新しい情報を報告いたします。
PS
ネパール山岳協会の会長に返りざいたAng Tsering Sherpa氏(写真8)にお目にかかり、第1副会長のSanta Bir Lama氏が国際山岳博物館担当になること、また、募集していた2名のネパール人学芸員が近日中に決まることなどを伺いました。
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