2016年ネパール通信14
帰国しました
はじめに
11月29日、カトマンズで開かれていた午前中のネパール地質会議に参加し、ヒンズークシ・カラコラム・ヒマラヤ全域の氷河台帳をまとめているICIMODのサムジワル・バジラチャリャさんたちの発表を聞いてから、カトマンズ空港に向かい、午後の便でクアランプールに飛びました。帰りもヒマラヤの空は晴れて、窓側の席を予約していたので、来る時と同様*、雄大なチョモランマ(エベレスト)などの神々の座の眺めを楽しむことができました。クアランプール空港で夜を明かし、11月30日午前のAirAsia便に乗り、関西空港に夕方着きました。
*2016年ネパール通信13 カトマンズに戻りました
http://glacierworld.net/travel/nepal-travel/nepal2016/back-to-kathmandu/
写真1 カトマンズからの帰りの飛行機から見た世界最高峰周辺の神々の座。
ヒマラヤ地震博物館
ネパールの人々にとって、カトマンズのかつてのランドマーク・(ビムセン)タワー(ダラハラ ; Dharahara)への関心は高いので、破壊されたその塔を保存し、亡くなられた方々の供養塔にし、その隣にヒマラヤ地震博物館を作る構想の発表*には皆さんが興味をもってくれたようです。現在は、ネパール災害復興局や考古局などが中心になり、ネパールの方々の寄付金やネパール政府、ネパール・テレコムなどの企業が資金を提供し、ランドマーク・タワー周辺の広大な地域の復旧・開発プロジェクトが進められようとしています。ネパール人自身で、外国援助に頼らず、このようなプロジェクトが順調に進むことを願っているところです。
*ヒマラヤ地震博物館(Himalayan Earthquake Museum)
http://glacierworld.net/regional-resarch/himalaya/himalayan-other/himalayan-other09/
写真2 ネパール側で進められているランドマーク・タワー周辺の開発計画図。
カトマンズ大学講義
3年目のカトマンズ大学の講義*を2017年3月から6月に行う予定です。リジャン・カヤスタ助教授の教室で氷河学を学ぶ今年度の修士課程1年目の学生は4名です。また講義の期間中、5月初めの1週間はポカラの国際山岳博物館の展示更新をしますので、その期間に干場悟さんにコンピュータの講義<How to get the skill of computing>*を受け持ってもらうことになっています。また、機会があれば、雪崩災害に見舞われたランタン村の調査もしたい、と思っています。それにしても、昨年の1年目の講義では、留学生5人を含む10人、今年の2年目では留学生3人を含む8名だったのが、3年目の来年は留学生なしの修士課程の学生が4名に減っているとは、数だけの問題ではないのですが、多少残念な思いがします。いずれにしましても、これまでの半世紀にわたるヒマラヤ調査でお世話になった方々への恩返しの講義ですので、求められれば、続けていくつもりです。
*Environmental Changes of the Nepal Himalaya
http://environmentalchangesofthenepalhimalaya.weebly.com/
写真3 カトマンズ大学講義のホームページ。
その他
今回のカトマンズで驚いたのは停電がなくなったことでした。ポカラの友人に聞くと、ポカラでも停電はない、とのことです。何と言っても、日本では停電によるネットの心配を感じたことはありませんが、停電がなくなったネパールで一日中ネットが使えるのは素晴らしいことです。現在のマオイスト政権の功罪の功の面がでたようです。聞くところによると、停電をビジネス機会としていた、大規模電池やインバータを販売していた会社は「アガッタリ」だそうです。お陰で、カトマンズの暗いイメージ*は、少し改善されたかも知れません。ただ、年々ひどくなる一方の交通渋滞やバザールへの車の侵入で人と車が大混雑する交通戦争はもう限界に来ている、と思われます。
*2016年ネパール通信1
カトマンズの第1印象は、黒、だった。
http://glacierworld.net/travel/nepal-travel/nepal2016/nepal2016_01black-and-blcak/
それでは、皆さまも年の瀬でお忙しいことと思いますが、どうぞご自愛ください。ナマステ!
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