2015年ネパール春調査(4)
カトマンズ大学にて
写真1 カトマンズ盆地からの大気汚染が大学周辺におしよせ、マナスル周辺の山々を隠す。
写真2 スモッグで見えにくくなったマナスル三山。
カトマンズ大学に来て3週間ほどが経ちました。当初は、前便でお知らせしましたように、ヒマラヤがよく見えていましたが、最近ではカトマンズ盆地からの大気汚染のスモッグ(写真1,2)とアラビア海からの雲で山が良くは見えません。
写真3 田園地帯の中にあるカトマンズ大学。
ただ、大学の周りは田園(写真3,4)ですので、ネパールの休日の土曜日には、周辺の散歩を楽しんでいます(写真5,6)。
写真5 休みに行う大学周辺の散歩コース(赤・黄・緑のGPSトレイルが散歩コース)。
写真6 クンブ地域のヌンブール山の方向に見えるヒンズー教のバグマティ寺院(写真5のDhulikhelの近く)も散歩コース。
写真7 セミナーで司会役をするリジャン・カヤスタさん。
写真8 セミナー出席者のスナップ(大学事務局前にて)。
3月20日には報道機関を対象にしたセミナー“Seminar on water and climate knowledge for
sustainable development, particularly
for media.”が開かれました(写真7,8)。これは報道機関を対象にしたセミナーで、ネパールの研究者も研究内容を積極的に広報する必要に迫られているいるようです。
写真9 吉田さんの報告会。
写真10 吉田さんと研究室メンバーのスナップ(中央の吉田さんに向かって左がリジャン・カヤスタさん)。
3月22日、国立極地研究所大学院博士課程の吉田*博さん(*は山かんむりに宗)がフィールドを終え、学生たちにも話をしに来てくれました(写真9,10)。アンナプルナ・ベースキャンプから流れ下るモディ川の河岸段丘が氷河湖決壊洪水(GLOF)でできた堆積物である可能性が高いとのことです。吉田さんとは、ポカラの谷を埋めている堆積物もGLOF起源の可能性があるので、議論しました。
写真11 ”Modern Environmental Science and Engineering”社からのメイル。
3月初めの国際氷河学会で報告した“Why is a large glacial lake safe against GLOF?”を講義*で話していたところ、”Modern Environmental Science and Engineering”社から次のようなメイルが来ました(写真11)。「あなたの報告に興味を持っています。私たちの雑誌に掲載したいので、論文を送ってください・・・・・。」さらに、詳しい論文の書き方や最新の履歴書(updated CV)を送ることなどまで念を入れて知らせてきました。しかしながら、この論文はすでに、国際氷河学会の雑誌に投稿していますので、二股をかけるわけにはいきません。カトマンズにいると、いろんなジャンク・メイルがきますが、” Merit Research Journal of Business and Management “という得体のしれない雑誌社からも論文呼びかけの” Call for papers “がくるほどで、日本にいた時にはなかった新しい経験をしています。
*http://environmentalchangesofthenepalhimalaya.weebly.com/2-1the-present-is-the-key-to-the-past.html
さらにまた、5月中旬にバンコックで開かれる下記会議への招待状がメイルできましたが、ぼくにはカトマンズ大学の講義や国際山岳博物館の展示更新もありますので、この会議には参加することはできません。さらに驚いたことには、参加料3800ドルというのです。会議内容には氷河湖決壊洪水(GLOF)などをうたっており、会議主旨は結構なのですが、いったいどんな方々が参加する会議なのでしょうか。
記
An
invitation: World Natural Disasters (Flood & Earthquake) Prevention
Conference 2015
Disasters
in mountainous region and the formation of the catastrophic Glacial Lake
Outburst Floods (GLOFs) are due to rapid melting of glaciers caused by climate
change. As such, this conference provides a timely platform to raise global
awareness of the critical importance of high mountain glacial watersheds, how
to assess risks and vulnerabilities of flood risks from melting glaciers and
reviewing new technology for glacial flood prediction including integration of
remote sensing techniques into a GLOF early warning system as well as
monitoring cryosphere and associated flood hazards in high mountain ranges
using remote sensing technique.
写真12 新しい講義室”Video Conference Room“のスナップ。
写真13 コンピュータ慣れした講義の受講生たち。
ところで、これまでの講義は学生の控室で行い、画像を映すのにプロジェクターを使っていましたので、画像の鮮明さが不十分でした。そこで、横120cm、縦60cmのソニー製の液晶TV画面がある”Video Conference Room“(写真12,13)に場所を変えました。液晶TV画面ですと、画像が細部までよく見ることができます。この講義室は比較的新しい施設のようですが、学生たちはコンピュータに強いので、その使い方はすでに知っているようでした。
写真14 “Nepal Geological Congress”からの招待状。
4月6日~9日には“Nepal Geological Congress”がカトマンズで開かれます。そこで、ネパール地質学会会長のディネッシュ・パッタクさんから下記の依頼状があり、要旨を提出すると、“Nepal Geological Congress”から招待状(写真14)がきました。ただし、参加料400ドルというのでびっくりし、会議関係者と相談したところ半額にしてくれました。3月初めの国際氷河学会の参加料は600ドルでしたので、それに比べれば安いのですが、日本の学会参加料は100ドル程度であることを考えると、まだまだ割高感はあります。しかし、会議関係者も配慮してくれたことでもありますので、(大気汚染の)カトマンズに行くことにしましたが、会議の内容は改めて報告いたします。この会議期間の講義は、干場悟さんに“Smart IT Lecture”(仮題)を行っていただくことになっています。
記
Dear Fushimi-san,
Thank you for sharing your schedule of Nepal
visit. I take this opportunity to invite you to participate in 7th Nepal
Geological Congress, an international event going to be held in Kathmandu from
April 7-9, 2015. Please visit http://ngs.org.np/homepage/8.
The Congress have various subtheme including “Climate Change and
Environmental Assessment”. You may find suitable subtheme relevant to your
field of expertise. The revised deadline for abstract submission is February
28, 2015. I would be glad to see you in the Congress. I have attached the First
Circular for your kind reference.
See you here in Nepal.
Sincerely,
Dinesh Pathak, Ph. D.
President, Nepal Geological Society
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