国際山岳博物館展示
Eco-Tour (5) Gyajo Glacier
文献
1)Fushimi, H., Ohata, T. and Higuchi, K. (1979) RECENT FLUCTUATIONS OF GLACIERS IN THE EASTERN PART OF NEPAL HIMALAYAS. SEA LEVEL, ICE, AND CLIMATIC CHANGE, IAHS, 131, 21-29.
2)伏見碩二, 瀬古勝基, 矢吹裕伯 (1997) ヒマラヤ寒冷圏自然現象群集の将来像―生態的氷河学と自然史学の視点からー. 地学雑誌, 106, 2, 280-285.
文献1)a
文献1)b
文献2)
Comparison between the structure of Gyajo glacier in 1970 and 1995.
(1970年と1995年のギャジョ氷河の構造比較図)
ギャジョ氷河は1980年代までは前進と後退をくりかえす動的平衡状態、言わば健康的な氷河状態でしたが、1990年代以降は急激に融解がすすみ、1995年には氷体が3つに分かれ、末端には氷河湖ができ始めました。3つに分解した氷体は氷崖で仕切られ、氷河流動を止めた雪渓状態になっている、したがって、1980年代までの健康的な氷河状態の時は、質量収支の平衡線高度は氷河の中央部分<5400m)にありましたが、1995年には氷河の上部(5800m)以上に上昇ている、と解釈できました。
上記のギャジョ氷河の構造図は1970年に行った現地調査の報告(文献3)によっている。
文献3
ON PREFERRED ORIENTATION OF GLACIER AND EXPERIMENTALLY DEFORMED ICE. 1972, JOURNAL OF GEOLOGICL SOCIETY OF JAPAN, 78, 12, 659-675.
また、次に述べるギャジョ氷河などのミクロな構造要素の結果に、クンブ地域の氷河変動をまとめた報告(文献4)もある。
文献4
東部ネパール・ヒマラヤの氷河構造と氷河変動. 1982, 名古屋大学理学博士論文, 登録番号論理博第360号, 219p., 10表 , 120図 .
気泡と透明氷が互層する氷河氷の Bubble Foliation 構造
ギャジョ氷河の各種構造図
ギャジョ氷河上流部Firnで観察された細粒氷の結晶構造
ギャジョ氷河下流部末端近くで観察された粗粒氷の結晶構造
ギャジョ氷河上流部の細粒の結晶方位分布(左)と下流部の粗粒の結晶方位分布(右)
一軸および二軸圧縮実験による結晶主軸方位分布の定方位性(左は融点、右は-5°C 実験)
0 件のコメント:
コメントを投稿