2015年ネパール春調査(3)
国際氷河会議の終了とカトマンズ大学の講義開始
国際氷河会議の終了
(写真1) 国際氷河会議は氷河学会主催でICIMODなどが共催しましたが、会議の進め方や運営スタッフはじめ、はては懇親会に至るまで、ICIMODの強力な援助があったため、有意義な国際会議になったと感じました。
(写真2) 会議では、2時間ほどの各セッションが終了するとテーブルごとの参加者のまとめを提出し、翌日には運営委員から全体的な集約と課題の整理が発表されました。この進め方のため、参加者全員が問題点を共有することができました。多彩な参加者をまとめていくこのような方法をとった運営委員の努力を高く評価したいと思います。
(写真3) 「アジア高地の氷河科学の将来とは?」といった大きなテーマに関して、たとえば次のようなさまざまな問題点がだされました。
・氷河のマスバランス(質量収支)の地域的違いの原因はなにか。
・気候変化に対する各地域の氷河の応答特性を明らかにする必要があるのではないか。
・今後のブラック・カーボン(黒炭の粉のような物質)の研究の進展が望まれる。
・観測体制のネットワーク化とデータの共有化が必要になる。
・氷河環境の変化与える人々、政策、経済へのインパクトはどうなるのか。
・はたして、インダス河とガンジス河の将来はどうなるのか。
・・・・・などなど
(写真4) 3月5日は満月で、ヒンズー教のホーリー祭り。いわゆる色かけ祭りといわれ、町の通りでは色水をかけあったり、顔に色を塗りたくったりする無礼講の日でした。参加者のなかにもホーリー祭りを楽しんでポスター会場にきた人もいました。ぼくなぞはその二の舞になりそうになりましたが、額の赤い印(ティカ)だけで勘弁してもらってきたしだいです。
(写真5) 天気の良い日の昼食は、ソメイヨシノが咲きはじめた会議会場の Yak & Yeti ホテルの庭園で行われました。このソメイヨシノは幹の直径が30~40cmもある大木でした。
(写真6) ホーリーの日に、ICIMOD主催の晩餐会が Yak & Yeti の庭園で行われました。その際に撮りましたICIMOD所長のデービッド・モルデンさんとのスナップです。(右が門田さん、左がぼく)
(写真7) 晩餐会では、若い氷河研究者が表彰され、国際氷河学会記念の帽子を贈られました。(右から2番目が国際氷河学会事務局長のマグナス・マー・マグヌッソンさん)
(写真8) 晩餐会で乾杯の音頭を取るICIMOD所長のデービッド・モルドンさん。(背景に満月が昇る)
カトマンズ大学での講義開始
(写真9) カトマンズ大学での講義用のホームページ。*http://environmentalchangesofthenepalhimalaya.weebly.com/
(写真10) カトマンズ大学講義の受講生たちはマスター・コース1年目の学生です。
(写真11) 干場さんのSmart IT Lectureの教室風景。
(写真12) 受講生たちとともに。
(写真13) 晴れた朝には宿舎からランタンからクンブ地域のヒマラヤの山々が見わたせる。大学はカトマンズ盆地東の峠にあり、晴れた日には爽やかな峠の風が吹きます。
(写真14) キャンパスの西側からは、ガネッシュやマナスル山塊のヒマラヤが望まれます。
(写真15) 懐かしのマナスル三山。だが、これらの素晴らしい展望もスモッグで覆い隠されるようになるとは。そのことは、次に報告します。
(写真16) キャンパスには長さが1mちかくもある、ぼくにとって珍しい鳥が、研究室の窓のすぐ外側に訪れてくれます。